本日、阪神・淡路大震災から30年という節目の日を迎えました。
阪神・淡路大震災。それは。私の人生の中で決して忘れることのできない出来事です。
私は生まれも育ちも神戸です。震災当時も家族とともに神戸に住んでいました。幼い私にとって、あの揺れは経験したことのない恐怖そのものでした。家全体が激しく揺れ、家具が倒れる音、必死に私を守ろうと抱きしめてくれた母。あの時の光景は、時間が止まったかのように、今でも記憶に焼き付いています。
揺れが収まった後も恐怖は終わりませんでした。「ガス爆発が起こるかもしれない」という大人たちの会話を聞き、幼心に「夜が来たら火事で焼け死んでしまうのではないか」と怯えていたことを覚えています。震災の現実を十分に理解できない年齢でしたが、ただひたすら怖くて、不安でした。
今、こうして30年後の今日も生きていること。本当に奇跡のように感じます。震災で命を落とされた方々のことを思うと、私がいただいたこの命は、ただ自分のためだけにあるものではないと強く感じます。だからこそ、これからも「1日1日を大切に生きよう」という思いを、改めて胸に刻みました。
私は今、イラストレーターとして活動しています。私にできることは多くはありません。でも、絵を通して人々の心を少しでも温めたり、笑顔を届けたりできるのではないかと思っております。震災を経験した者として、悲しみや痛みを抱える人々の気持ちに寄り添うこと。そして、「生きることの尊さ」を忘れずに、これからも心を込めた作品を描いていきたいと思います。
30年という時が流れ、街は完全に復興したとは言い切れませんが、姿を変えていきました。それでも、あの日の記憶は私の中に深く刻まれています。そしてその記憶があるからこそ、今を生きることの尊さを忘れずにいられるのだと思います。
震災を経験した全ての方々に、そして天国で見守ってくださっている全ての方々に、心から感謝を込めて。